本日、最高裁判所は国籍差別を容認する不当な判決で、鄭香均さんの切実な訴えを退けた。この判決は、現実の実態と国際化の流れに逆行し、日本を愛し日本に定住する在日外国人子弟の期待と夢を踏みにじるもので、断じて容認できない。
保健師として88年から東京都に勤務する在日韓国人2世の鄭香均さんは、東京都から日本国籍がないことを理由に管理職昇任試験の受験を拒否された。鄭さんはそれを不当な国籍差別として受験資格の確認などを求め94年に提訴した。97年高裁では、「法の下の平等と職業選択の自由を定めた憲法に違反する」として東京都の処置は違憲であるとしたが、今日最高裁は憲法判断を回避し、都の裁量権を認め、在日外国人への差別を温存する不当な判断を示した。
鄭香均さんは、日本で生まれ永住資格を有する多くの在日韓国朝鮮人の、いわば象徴的な『代理人』として、不当な国籍差別撤廃のための裁判闘争をしてきた。同じ境遇の日本生まれの定住外国人にとって重要な問題であり、定住外国人住民の人権をどのように保障するのか、今後の在日外国人の人権のあり方、これからの日本のあり方を決める重要な裁判として、最高裁の判断を全国の外国人住民が自分自身の国籍差別問題として注目してきた。
また私たちは、戦後処理の観点からも時代を読んだ積極的な判決を期待していた。だが、最高裁の判決は果たして、歴史の審判に耐え、司法の真価を発揮したといえるだろうか。
その意味で本日の最高裁判決は、この国の人権状況を如実に映したものである。東京都は世界有数の国際都市である。国籍条項の根拠としている「当然の法理」は法ではない。法によらない不当な国籍差別をはずさない東京都の責任は大きい。また、この裁判は法治主義の実質が問われていたもので、在日韓国朝鮮人の人権問題にきちんと対応してこなかった日本国の責任は重い。
この間、私たちは地域住民として不当な国籍条項の撤廃運動を進めてきた。国際人権規約の批准や国際化の流れ、また永住資格を有する在日韓国朝鮮人の居住の歴史を背景に、多くの自治体が公務員採用時の国籍条項を撤廃している。現在、全国の市以上だけでも283自治体が一般職の国籍条項を撤廃しており、11府県13政令指定都市も公務就任権と一定の昇任を認めている。
今年は戦後60年、日韓国交正常化40年であり、『日韓友情の年』である。韓日の不幸な歴史によって翻弄されてきた在日韓国人への差別待遇と人権問題がきちんと解決しない限り、本当の真の友情にはならないことを理解すべきである。開かれた日本を期待してやまない。私たちはこれからも差別のない共生社会の実現に向け、不当な国籍差別撤廃運動を粘り強く続けていくものである。
2005年1月26日
在日本大韓民国民団中央本部
国際局長 徐 元